東海ライナーの残党 JR東海117系

 時の国有鉄道が、京阪神の153系を置き換えるために、ヨコを走る阪急や京阪の電車に少しでも対抗できるようにって、それまで「標準化」というお題目のもと、派手にあれこれ電車をデザインしたり新機能を入れられなかったりした中でやっと結構自由に設計できた電車でありました。

 基本的に、京阪間は国鉄だけが圧倒的に高く、タイムは速いけどそれに見合った速さかというとそうでもねぇんだよなって言う状況の中、電車の質は負けなくなった・・・というのが117系が出た環境でありました。

 ま、そりゃそうだよなぁ・・・それからしばらく後に出た、185系とシートは同じ、主回路もどうやら同じ、ギヤリングも同じ、基本的に、東じゃ特急料金取るような内装の車両を「新快速」という普通列車に充当しちゃったんですから・・・

 で、同じように中京エリアも、基本的にはトナリを走る赤い電車、名古屋鉄道がヒトリ勝ちという状況であり、国鉄としては、どっちかというと「電車」というより「汽車」の性格が強く、名古屋を中心とした都市輸送というよりは長距離輸送のオマケみたいな感じで営業していたわけで、そんなんじゃ名鉄においしいトコを全部もってかれちゃうわけです。

 で、それまで153系でやってた快速を、新車にする♪ ということで出て来たのが名古屋地区仕様の117系でありました。

 京阪神仕様と違うトコがあります。

・連結器のトコに、京阪神仕様は「電気連結器」ってのがあって、自動連解装置なんかもくっつけてあったんですが、東海では必要がないためついてません
・京阪神仕様は、米原の方まで行くと結構雪降ったりしましてさみーので、それの対策をしてあるんですが、名古屋仕様はそれもなし。
・国鉄近郊形って、元々トイレが先頭車にはついてるモンだったのを片一方ナシにしたら、結構モンクがきて、コレを元に戻したため全先頭車についた。

 ってな違いがあったりします。

 出た当初は西日本の色と同じで、帯の色・運転台の窓周りの色が茶色でありました。

 その後、昭和61年に117系を増備して輸送を見直すということをやり、「100番台」ってのが出て来ました。 で、中京仕様は編成を6両→4両にして本数を増やすという方向で増発を試みたんですが、さらに中央線にも運転範囲を広める関係で、このとき作った先頭車にはトイレはなしよっ という構成になりました。

 で、写真の車両はそのトイレナシ仕様の先頭車で、100代になります。窓は一段下降で台車はボルスタレス台車になってますが、見えませんね・・・

 東海道の名古屋近辺に関しては、主役を311・313系に譲ってのんびり運用になってるとおもいます。 時代の流れを感じたりもします・・・