Letter From 

   LosAngeles

映画がなんぼのもんじゃい!


 いやね、実はオイラはCGデザイナーなんかをやってるわけですよ。

 まぁ、デザインといってもいろいろあるわけですがね、雑誌のデザインからキャラクターデザインフィルムの編集パッケージデザイン映画の予告編の編集なんかもやってるわけです。

 「えっ!デザイナーなの?」

  なんてかっこいい商売に聞こえがちですが、実際は地味な商売です。もちろんお金なんかにならないしね。ほんと、結婚したくない商売ナンバーワンですわ。だって不規則だし、収入は安定してないしねぇ・・・

 そんなオイラですが、某有名映画会社に就職してたこともあったんですよ。
とりあえずその時の話から。

 アメリカに来て1年くらいしたある日、何故か「おし!そろそろ自分の力を試そうじゃないか」と思い、電話帳を開いて知ってる限りの有名映画会社の住所を調べてみた。
 デザイナーとしての知名度は全くのゼロ!「アメリカンドリーム」なんて全く信じてはいなくても、なんとかなったら儲けものと思い、別に誰に迷惑かけるわけじゃねーしいいかな?くらいの気持ちでやってみたんだわさ。
 まぁ、大抵の映画好きが思い浮かべる映画会社は6、7社くらいなもんか?
 オイラもそのくらいの住所を調べて、いくつかの作品を持って行っただよ。

 「アポは?」

よく気がつきました!アポの取り方なんかま〜ったくわかんねぇもんだから、イキナリ映画スタジオの前に行って 「すいませ〜ん!雇ってくださ〜い!」 とセキュリティのオジサンに言ってみたりしたんだな。これ、アメリカじゃ常識外!

 こんなことするやつは120%いないと断言してもいい。でも、な〜んにもわかんないもんだから「別に捕まりゃしねーだろ」くらいにしかかんがえてなかったんだよね〜。まぁ、話のネタくらいになれば儲けモンじゃない?

 ところがこれが何を血迷ったか1発目から大当たり!ラッキーだねぇ・・・こんなことがあるからアメリカってやめられないんだよね。

 その後幾つかの有名映画会社で「黄色い電気ネズミ」のアメリカ版ポスターつくったりなんかして、主に日本から輸入されて来るものを少しアメリカナイズさせたりして働いていたんですよ。他にも日本向けの映画のCMとかね。唯一自分でもすげーなーと思うのは「世界一有名なネズミ」「ネズミ王国で発売されているポスターかな?

 せめてこれだけは自慢させてくれ!ネズミ王国ロサンゼルス支店へ行ったら、「水しぶき山」でネズミ王国のキャラクターのほとんどがその山で遊んでるイラストのポスターが売ってます。行ったら買え!(っていうか、この文章で分かるのかな?がんばって解読してくれ!)

 でも、な〜んだかんだで今はフリーのデザイナーですわ。でも会社にいた頃に人脈をつくっといてよかった!

 「いやぁ、アメリカ人の感性と日本人の感性は違いますよ。」

 この一言で毛唐を騙し続けてこれからも仕事がんばるぞー!

 そんな自分の下らない話はさておき、アメリカ人の映画に対する考え方についてお話しましょうか?

 アメリカ人にとって映画ってのは、アメリカの象徴みたいな文化の1つになってるんだよね。例えば、「60年代の文化を3つ挙げよ」なんてことを聞いたら60%の人が「ロック、映画、車」と答えたらしい(新聞に載ってた)。

 「アメリカン・グラフティ」って言う映画があるんだけど、あれそのものが文化なんだって。しょぼい文化だこと・・・そういえば「スターウォーズ」なんかもそうだよね。70年代に「強いアメリカ」のい神話が崩れかけた時に「こんな事出来ました」みたいなノリで文化呼ばわりされてるんだから困ったモンだ。

しっかし歴史の浅い国ってのはなんでも文化にしたがるのかねぇ?

 でもね、文化になる映画って人それぞれちがうみたいなのよ。
 娯楽要素中心か時代背景中心かはたまた技術中心かってね。

 娯楽要素中心なんてのは「タイタニック」とかいい例だよね。
 別にただ楽しめればいいってなもんで、その当時の有名俳優が主演したりとかで若い娘さん達が「う〜んアタシの青春」なんていうようなやつ。
 80年代に流行ったやつやね。

 時代背景中心なんていうと「タクシードライバー」なんかかな?
 その時代にあった歪みなんかを描いたりしてるよね。
 ベトナム戦争ものなんかもこのジャンルかな?

 技術中心なんていと「ターミネーター2」なんかでしょうか?
 やっぱCGを全面に押し出したと言う面ではこれなのかな?
 あと、「スターウォーズ」か。

 う〜ん・・・あまりにも安易すぎるきもするけど・・・

 まぁ、ほとんどの映画は幾つかの要素をかけ合わせてつくられてるからこそイイ映画なんだろうけどね。娯楽と技術なんてものはいい例じゃない?
 あと、年代別にも分けられたりなんかしてね。オイラはけっこう昔の映画が好きで、DVD買ったのにも関わらず昔の映画ばっかり観て・・・コレって意味ないですかね?

 と、まぁこんな感じで語られるわけだけど、これがアメリカ人にとってはイイ酒のつまみになるんだな!ナイス議論!

「ジェームスディーンは娯楽ではない!時代背景だ!理由なき反抗を観ろ」

「CGといえばトロンだ!これなしでは今の映画は語れない」

「カルトムービーの存在を忘れるな!ついてはブレードランナーおば・・・」

「タイタニックなんか屁だ!俺はポセイドンアドベンチャーの・・・」

 なんて、いちいちどうでもいいじゃねぇか!と思えるような議論が耐えない耐えない!

 また、監督の評価も厳しくってねー!

ジェームス・キャメロンジョージ・ルーカスなんかボロクソ!

逆にスタンリー・キューブリックティム・バートンなんかはベタホメ!

しかし、スピルバーグコッポラの評価ってイマイチわかんないらしい・・・

 いったいなにが基準なんだか?

 あっ!でもね、黒沢明の評価は凄いね!批判されてるのを見たことねーもん!
 これって凄いことよ、アメリカでは特にね。

 ここで不思議なのが、ヒッチコックチャップリンの映画が話題にのぼらないんだよね。なんでかな?って思ったら「あれは芸術」なんだとさ。理解できますコレ?
 ディズニーアニメなんかも別で語られるんだってさ?俺にはわかんねーけど。

 まぁまぁ、とにかくみんなすごい量の映画を観てるし勉強してるなって感じ。
 その時代背景やカメラワーク、効果音から演技力まで余すところなく楽しんでるようです。なにせ大学には「シネマ」のクラスがあったりして、映画を一本観てはその内容、時代背景などをレポートで提出するんだから。

 みんながしったかぶっているのは観てて楽しいけどね。

 最近知ったんだけど、日本とアメリカにおいて映画に対する評価に差があることに気がついたので、ここである1つの作品を紹介します。(個人差はあるけどあくまで統計のハナシ)

「風と共に去りぬ」

 昔の映画、いまさら語るべきモノでもなくダラダラ長いだけの映画。当時としては憧れ的な要素があったが、主人公の意味不明な行動を支持できるはずもない。ストーリーも陳腐である。

 こんな記事やコレによく似た話をいたるところで耳にすることがあるんだけど・・・

 これって名作じゃなかったっけ?

 つまりね、この映画は当時のただの娯楽映画としてのあつかいを受けているんだよね。
 いまでいう「タイタニック」と一緒らしい。

 「タイタニック」ファンには申し訳ないが、コレを支持する奴は低能なイメージ、映画を観てない奴として扱われるんだよね。映画を観てないと「けっ!」みたいな。

 俺なんかは「別にいいじゃねぇか?個人の勝手」なんて思うんだけど、アメリカ人ってけっこう横暴じゃない?それの表れでもあるし、なんか流行ってるものを分析して、貶すのがかっこいいとでも思ってるのかね?

 オイラ思うんだけどさ、けっこうアメリカ人ってこういうところあると思わない?
「自分は人とは違う」みたいな。それでいて「認めてもらいたい」なんてかんがえてるんだよなぁ。どこが自由の国なんだか?

 たかが映画じゃねぇか!てめぇがいくら分析したって世の中は回ってるっての!
 もっと他のことに気がまわんねーかなー?金融とかを分析してるほうが金になるよー!
 人のためにもなるしさー。だいたいそんなことで偉そうにしてんじゃねーよ!

 あたしゃ声を大にして叫びたいね。

 ま、オイラも「タイタニック」観ただけ損したなっておもったけど。

 まぁいいや。

 どっちにしろ映画について思い入れがあることには変わりないし、極端に映画が生活の近いところにあるのは事実だね。特にここロスにおいてはさ。

 ハリウッドに行けば、何がなんだかわかんないくらいの映画館の量に驚くよ!まじで。単館上映専門だったり、昔のばっかりやってたり、ドキュメントしかやってない映画館や学生のつくった映画専門の映画館だったりね。さらに異常にデカイスクリーンと客席数を誇る映画館があったり、映画館自体はさほどすごかないのに有名人の足型で人気を取ってたりね。されに驚くのは1つのビルに30個も映画館が入ってて、最新映画なんかは30分ごとに4つの映画館で上映されてたりするんだよね。

 ちなみに入場券とコーラとポップコーンで学割効かせれば$7(700円)もちろん駐車代はタダね。そりゃ暇つぶしにもってこいだわさ!

 公開される映画の数も日本の10倍ときたもんだ!あっ、でもつまんないけどね。

 ちなみに日本と全く違う点は、客席数が埋まったらチケットは売り切れ! 立ち見は一切なし!次の回までコーヒーでも飲んでね状態なんですよ。知ってた?

 最後に面白い記事を発見したので紹介します。

 「アカデミー賞を支持している人は20%たらず」

 その理由として、ヒットもしてないし面白くもない映画が受賞しすぎ。
 文化としてでなく、エンターテイメントを重視しすぎ。
 選考委員が映画を観なさすぎ。選考委員がマニアック。などなど・・・

 たしかに「うそだろ〜おい」ってのは多いですな。
 ま、おもしろきゃ誰も文句はいわねーよ。馬鹿な毛唐のことは知らね。

 そんなオイラは現在、大学で映画制作を専攻してたりして!

 ナハハハ・・・ハァ・・・・