Letter From 

   LosAngeles

糞して寝ろ


 最近の日本の犯罪はアメリカに近付いてきたなんて言われているようですな。

 ところがアメリカでは日本の方が「心の歪んだ犯罪」が多いって考えてる人が沢山いるわけです。馬鹿な毛唐はなんにせよ自分を認めたがらないもんですね。自己中心的な考え方と傲慢でアップアップになってるお国柄がよく出ています。

 最近、あるテレビ番組がなかなか「正しいアメリカの考え方」していて面白いんです。
 今回はそのお話。

 何処の国でも自分の子育てに「しっかりと失敗」して「とんでもないガキ」が育ったもんだからって親が脂汗と涙をたらしながら助けを求めるなんてチープな番組が少なからず存在するものらしいです。

 日本ではおなじみの偽善者がワイワイと「そんなに心配してねぇだろ」ってな顔で毎日放送してますよね。
 韓国でもドイツでもフランスでもそのテの番組はあるそうです。

 アメリカでそんな番組は無い訳ないでしょってなもんで、わんさかと毎日、4番組ほど放送しているってわけです。

 ただ、アメリカは他国とはひと味違いますがね。

 まず、いかにも「正義を愛する正しい白人」のおっさんが登場してきます。
 これがまた「普段は性格悪いんじゃないの?」と言うくらいイイ笑顔を振りまきます。
 そして今日の馬鹿を一人ひとりと登場させて話を聞きます。

 ある人は「12歳の娘が将来、ストリッパーになるんだとはりきってしまい・・・」などとぬかし、またある親は「8歳の息子がエロ息子で・・・」ときたもんだ。
その他にも・・・
「18歳の娘の男好きを止めさせて」 「変な宗教に走った娘を・・・」
「レズの娘をどうにかして」 「13歳にしてビッチな娘を・・・」
「5歳にしてタバコを吸う息子を・・・」 「暴力的な息子はまだ12歳で・・・」
「ホモの息子はまだ8歳で・・・」 「息子はまだ10歳なのにギャングで・・・」
これ書いてたら朝になってしまうのでこの辺でかんべんしてくださいね。
とにかく洒落にならないくらいに激しいお子様が、よくもまぁネタに困らないよねって言うくらいウジャウジャと出てくるんですよ。

 まぁ、そんな「子供を産んで後悔した」母親が基本的にメインででてくるわけです。

 で、いつものように子供をステージに呼んで話を聞く訳ですが、観客からの激しいブーイングの嵐にも子供はめげずに「FUCK YOU ! KISS MY ASS !」と叫ぶ訳です。

 普通ならここで司会者が「まぁまぁ・・・」とかなだめてその場限りの平穏で
お終いにしてしまうところでしょう。

 でもそんなんじゃぁ視聴者は納得しねぇんだよなぁ!「みの」さんよぉ!
 番組途中でガキ共は有無言わさず「ブーツ・キャンプ」に強制参加ときたもんだ!

 「ブーツ・キャンプ」とはアメリカ陸軍の初期訓練をするところの愛称。
 刑務所の10倍は厳しく辛いといわれているこの地獄に、10代のガキが参加ってんだから大変だ。

 決して殴りはしないが、1週間4、5人の鬼教官にずーっと怒鳴られっぱなしで行動の全てを監視下に置かれ、一切の自由をはく奪されたあげく、言うことを聞かないもんならメシ抜きで走りっぱなしときたもんだ。
 実際、軍人を目指すいい大人がこのキャンプでビービー泣くっていうのをガキにやらすんだから・・・こりゃたまったもんじゃねぇや。
 スタンリー・キューブリックの「フルメタル・ジャケット」や、トム・ハンクスの「フォレスト・ガンプ」とかの映画にはこの「ブーツ・キャンプ」の様子が描かれているので観てみてはいかがでしょう?

 それで、そんな所でそんな目にあえば恐怖のあまりに
「おかーさーん!愛してまーす!ごめんなさーい!」と泣きが入る。
そりゃ誰だって改心するだろ!

 で、次の放送日にはガキはとってもイイ子になって母親と手をつないで登場。
 観客から惜しみない拍手が送られて「よかったよかった」・・・・

おい!よかったのか?

 子供は恐怖から「2度とこんな目にはあわねぇぞ!」と思ってるだけちゃうんか?
自主性なんかのかけらもない「親にとって都合のいい子供」を作ってるだけでしょ。
だいたい「ブーツ・キャンプ」なんてところ自体が「よく言うことを聞き、命令をしっかり聞き行動できる兵隊」を育てるところでしょ?
こんなんで喜ぶ母親はやっぱり子供を産むべきじゃなかったんじゃねぇか?と本気で考えてしまう。

 俺なんかは、犯罪にならない程度なら何やってもいいんじゃねぇか?と考えるタイプの人間で、親が気に入らねぇから止めさせるのはどうかな?と思うんだよね。
 パンクだってビッチだって本人が責任をとってやってればかまわないっしょ。
 親にも理解しようとする努力が必要だし、子供にもそれは必要だと思うんだけどな。
 それを頭ごなしに「ダメ」ってのは納得のしようがないよね。
 それこそ、その親のダメっぷりがでてるんだとおもうんだけど・・・
 まぁ、俺の親はそんな人じゃなくてよかったというだけか?

 「時計仕掛けのオレンジ」という映画を御存知だろうか?
 近未来のクソガキが逮捕され、「犯罪者洗脳更正プログラム」によって一切の犯罪的な欲望を考えるだけで頭痛を起こすため、2度と犯罪を行わないようになる。というお話。スタンリー・キューブリックの代表作でもある。

ね?まさにこれでしょ?

 よく考えてみよう。例えば、かなり話題になった某宗教団体は「洗脳」と「罰」によって信者を縛っていたでしょ?世間はそれを「悪」だとか「非人道的」だとか言って非難したじゃない。言いたいことは分かる?
 まぁ、洗脳や体罰といったものが悪いわけじゃないよね。
 小学校では理由もなく「あれはするな」「これもするな」といった感じで「道徳」と言うものを教えるんだからね。
 「あとでその意味を自分で見つけだせ」ってことなのかどうかは知らないけど・・・
 この方法はアメリカも日本も一緒。
 ただ、アメリカの場合は後になって「ディスカッション」という形でしっかりと考えるようになっている。(話し合いってことよ)
 ただこれ、異様に時間を食うので他の勉強の差し支えになるんだよね・・・・
 逆に日本はそんなこともしないでほったらかしでっしゃろ?
 先生と年上の人の言うとうりにしてれば間違いなしとされてるよね。・・・それって間違いじゃねぇかな?・・・まぁいいか。
 俺は小学校の担任を見て「こういう人間になってはいけない見本」と思ったけどな。
 そう言った意味では役に立ったんだろうかね。

 まぁ、なんにせよ少し疑問に思ったんだよね。

 それで、結構信用できる英語の先生にEメールで聞いてみた訳だ。
(この先生を信用できる理由は3つ。人種差別はなくならないと言い切ったところと、宗教は戦争の火種になりかねないと言ったことと、映画「タイタニック」は糞だと言ったところ。つまり正直なんだよね。)

 で、これが先生の答え。

「言いたいことはよく分かるけどさ、周りをよく見てみなよ。
あふれんばかりのホームレス、暴力、欲望、性。
こんな状況で子供がまともに道徳なんて口にできると思う?
それに何人のまともな大人がこのアメリカにいると思う?
キリストを信じてるから悪いことはしないと思う?
自分が悪いことをしなければそれで許されると思う?

君は道徳とは何か?と質問して、すんなり答えられる人を信じられる?

 これだけはハッキリしてると思うんだけど、
 結局、自分と違ってるものが恐いんだよ。コントロール出来ないものが嫌いなんだよ。
 だからみんなで寄り添いあって生きて行くんだ。
 そして、コントロールできる間にコントロールしてしまうんだよ。
 自分達が信じている小さな道徳のなかにね。
 それが正しいか正しくないかは問題ではないんだよ。

 安全な国で育った人にはわからないかもしれないけどね、アメリカってそういう国なんだよ。」

 なるほど・・・。お国が変われど、何処も変わりはないんだね・・・
 馬鹿はいつまでたっても馬鹿だし、そんな俺も誰かから見たら馬鹿なんだろうね。
 考えるだけ損したし、コレ読んでるあなたも時間の無駄だったんだろうかね?

ほんとにそうだろうか?

 身体を寄せ合って、ケツを嘗め合うのだけは避けてぇなぁ・・・・
 そんな生き方は耐えらんねぇ・・・って思って文章にしたこと自体が誰かの賛同を得たいと思うことなのか?

 と、すると 俺は何処へ行けばいいんだ?

 結論としては「馬鹿なこと言ってねぇでとっとと寝ちまいな!」だな。